レジンで何かを作りたい!と思っていろいろネットで検索しているとレジンにも種類があったり、エポキシ樹脂とエポキシレジンって呼ばれるものがあったりしてわかりにくいですよね。
この記事にたどり着いた方は、エポキシ樹脂でレジン作品を作りたいはず。おそらくそのほかの記事ではエポキシ樹脂の細かな説明が出てきて「そんなことを知りたいわけじゃないのに…」と思っているでしょう。
そこでこの記事では、馴染みがなくてわかりにくいこともかみ砕いて理解しやすいように解説していきますね。
エポキシ樹脂は家庭用と商業用どちらにも利用されているので難しいお話もありますが、必要そうなところだけ読み取ってみていくようにするのがおすすめです。
- エポキシ樹脂がどんなものか
- エポキシ樹脂の利用用途
- エポキシ樹脂の種類
- エポキシ樹脂の使い方
- エポキシ樹脂の安全性
- エポキシ樹脂はどんな人におすすめか
エポキシ樹脂とは?
エポキシ樹脂とは、エンジニアリングプラスチックというものの1つです。エポキシレジンと呼ばれる場合もありますが、これも同じものを指します。プラスチックには大きく2種類に分かれるのですが、下記の2つに分類されます。簡単に表にまとめてみましたので参考にしてみてください。
樹脂の種類 | 樹脂の特徴 |
熱硬化性樹脂 | 加熱すると化学反応で硬化する。エポキシ樹脂はこちらに分類される。 |
熱可塑性樹脂 | 加熱すると柔らかくなって冷やすと硬化する。 |
エポキシ樹脂は一般的な有機樹脂と比較して化学的に安定しています。そのため、あまり意識はしないかもしれませんが、コーディング材や塗料・接着剤など、日常的に目にする機会の多いものにもよく使われているんです。
DIYをよくする人は馴染みがあるかもしれませんね。ここでは簡単にエポキシ樹脂はプラスチックと同じようなものという覚え方をしておくと良いですよ。
エポキシ樹脂はレジン作品によく使われます。家庭での具体的な使い方は後程説明しますね。
エポキシ樹脂の特徴は?メリットデメリット
エポキシ樹脂にはさまざまなメリットとデメリットが存在します。実際に使用したいと考えている方は、これらを参考にそのほかのレジン製品と比較してから購入すると良いでしょう。
主剤と硬化剤の2種類を使う
エポキシ樹脂は「主剤」と「硬化剤」という2つの液体を使用して硬化させます。ご家庭でレジン作品を作ろうとすると、百均などでuvレジンやledレジンを購入して使用するというお話をよく聞くのではないでしょうか?
uvレジンやledレジンはuvライト・ledライトを使用して固めることができます。しかしエポキシ樹脂は2つの液体を使用して固めます。
少し手間がかかってしまうのが特徴ですが、uvレジンやledレジンと比較して優れている点ももちろんあるので、使用の際にはどちらが自分に適しているかを考えてみてくださいね。
透明度が高い
エポキシ樹脂(エポキシレジン)は透明度が高いのが特徴です。uvレジンやledレジンにも透明度の高いものはありますが、まだエポキシレジンのほうが透明度が高いようです。
また、レジン液にも「質」があって、質の良いものを使用することで、ガラスのように美しいうえに黄変しにくく耐久性も高いものに仕上がるので、長期間きれいに保存したいものがある場合なんかにもおすすめです。
私はペットを飼っていましたが、大切な形見を残す方法としてレジンでアクセサリーに加工しました。
UVレジン・LEDレジンと比べて立体的なものが作れる
UVレジン・LEDレジンと比べて立体的なものが作ることができるというのもエポキシ樹脂(エポキシレジン)の特徴です
ここで最初に説明したエポキシ樹脂の硬化の話がかかわってきますよ。
エポキシ樹脂は化学反応によって硬化しますが、uvレジン・ledレジンはライトを使用して硬化します。つまり、uvレジン・ledレジンはライトの光が届かないと固まりません。
置物などの少し厚めのものを作るときにuvレジンやledレジンを使用すると中まで固まらないが、エポキシ樹脂であればきれいに固まる。
硬化に1日~2日ほどかかる
エポキシ樹脂(エポキシレジン)を使用してレジン作品を作ろうとすると、どうしても硬化に時間がかかってしまいます。もちろん、使用するエポキシ樹脂の製品によって硬化に必要な時間は変わってきますが、大体1日~2日ほどはかかると思っておくと良いでしょう。
また、硬化時間に関して、意外な事実もあります。
エポキシ樹脂を使用してレジン作品を作りたいと思ったとき、ご家庭ではそんなに大きなものを作ることはないと思います。しかし、エポキシ樹脂で小さいものを作るときのほうが硬化に時間がかかってしまうという特徴があります。
これはエポキシ樹脂が化学反応によって硬化するという性質からくるもの。作りたいものが大きければいろいろなところで化学反応が起きて硬化しますが、小さいものの場合はそれが少なくなってしまうのです。
エポキシ樹脂の硬化時間は気温によっても変わってくるので、季節にも注意してくださいね。
正確に計量する必要がある
エポキシ樹脂(エポキシレジン)は主剤と硬化剤の2種類を使うというのはお話しした通りです。その際、それぞれの分量は正確に測って使用しなければなりません。もし、正確に測らず、使用してしまうと、意図した通りきれいに固まらなくなってしまいます。
「硬化剤を多めにしたら早く固まりそう…」
そう思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
エポキシ樹脂は化学反応で固まるので、分量が間違っていたりそれぞれの液体がきれいに混ざらないと固まらない可能性がある。
正確に計量したりきれいに混ぜないとうまくいかないので、初心者の方には扱いが少し難しいかもしれませんね。
エポキシ樹脂の種類とそれぞれの特徴
エポキシ樹脂といっても、その中でもいくつも種類があります。一般的にご家庭でエポキシ樹脂(エポキシレジン)を使用する場合は知らなくても良いことではありますが、こんなものがあるんだ。という程度に思っておいても問題ありません。
ビスフェノール型エポキシ樹脂
ビスフェノール型エポキシ樹脂は、一般的にご家庭で使われるようなものではありません。電気の絶縁性や成形性などに優れているのが特徴です。具体的には、塗料や電気絶縁材料などに用いられる樹脂になります。
グリシジルアミン系エポキシ樹脂
グリシジルアミン系エポキシ樹脂は液体で耐熱性が高いというのが特徴で、複合材や接着剤に用いられることが多いようです。(参考:エポキシ樹脂)
アミンをグリシジル化したエポキシ樹脂で耐熱性があるのが特徴です。
脂肪族エポキシ樹脂
脂肪族エポキシ樹脂にも下記2種類がありますが、主に電気絶縁材料として使用されています。
・環状脂肪族型エポキシ樹脂
・長鎖脂肪族型エポキシ樹脂
耐候性と呼ばれる、太陽光や温度・湿度などの屋外の自然環境に耐えられる性質を持っているのも大きな特徴ですね。
また一方で、硬くてもろい性質や低粘度であることから、ガラス繊維の強化材や希釈材などに用いられることも多いのが特徴です。
ハロゲンフリーエポキシ樹脂
ハロゲンという名前を聞いたことがあるという方は多いと思いますが、これは毒性が強いものです。漂白剤などに使用されているものですね。ハロゲンフリーのエポキシ樹脂なので、環境にやさしく有害物質を放出リスクが減ったというのが特徴です。
ノボラック型エポキシ樹脂
ノボラック型エポキシ樹脂はフェノール類とホルムアルデヒドを酸性触媒下で新しい化合物を作る樹脂の総称です。これは耐熱性や耐吸湿性などに優れていて汎用性の高い材料だというのが特徴です。具体的には、複合材やレジスト、積層板などに使用されています。
エポキシ樹脂希釈剤
エポキシ樹脂希釈剤はエポキシ樹脂の作業性を向上させる目的で使用します。一般的なエポキシ樹脂は高粘度なのですが、希釈剤を使用することで樹脂としての性能を維持したまま粘度を下げ、作業性を向上させてくれます。
エポキシ樹脂の使い方・手順
エポキシ樹脂の使い方・手順を知りたいと思っている方は、おそらく自分でレジン作品を作りたいと思っている人だと思います。
そこで、一般的な家庭でエポキシ樹脂でレジン作品を作るための手順を解説していきますね。
主剤・硬化剤の分量を量る
まず最初に使用するエポキシ樹脂(エポキシレジン)の主剤と硬化剤の分量を量ります。この比率はお使いの製品によって異なってくるので、どれくらいの比率で作っていかないといけないのかをしっかりと確認しておきましょう。
もし分量が間違っているとうまく固まってくれない可能性があるので、分量通りに計量しておくようにしてくださいね。デジタルはかりを使用すると、正確に計量がしやすいのでおすすめですよ。
しっかりと混ぜる
計量が終わったら、主剤と硬化剤を均一に混ぜ合わせることが重要です。エポキシ樹脂(エポキシレジン)は主剤と硬化剤の化学反応によって硬化します。そのため、うまく混ざらない箇所があるときれいに固まってくれない箇所が出てきてしまいます。
製品によっては、スプーンやスティック状のものが同封されていて、それで混ぜるようになっているものもあるかもしれません。しかし、その場合混ぜ合わせるために使った容器の隅まで均一に混ぜるのは難しくなってしまいます。
ゴムへらを使用することで隅まできれいに混ぜることができるので、あらかじめ百均などで購入しておくのがおすすめです。
一旦放置して気泡を抜く
しっかりと混ぜ合わせることができたらいったん放置して気泡を抜いていきます。どうしても混ぜたりする段階で気泡が出てきてしまうのですが、このタイミングでしっかりと気泡を抜くので問題はありません。きれいに仕上がるので安心して待ちましょう。
もし、なかなか気泡が抜けないな…という方はドライヤーなどを使って温めるという方法で少し減らすことができます。しかし、前提として、質の良いエポキシレジンは放置しておくだけで気泡は勝手に消えていきます。
もし、消えないのであれば残念ながらあまり質が良くなかったということです。
一概には言えませんが、エポキシ樹脂の値段と質は比例しています。安すぎると気泡が残ってしまう可能性が高いので注意しましょう。
作ったレジン液を型に流し込む
レジンを用意した型に流し込んでいきます。すこしずつゆっくりと入れて、余計な気泡が入らないようにしてあげると、次の工程までスムーズに進めるので、気を付けてください。このとき、一緒に入れておきたいパーツがある場合は、すべての液を入れきる前にパーツを封入しましょう。
パーツを入れ終わったら、残りのレジン液も入れていきます。どうしても思った通りの場所にパーツが入らないという方は、裁縫用の針などの細いものを使用して位置を調整してあげると良いですよ。
硬化させる
レジン液を入れ終えた後は待つだけです。大体1日~2日ほどおいておくとしっかりと固まってくれます。固まったら型から取り出してバリと呼ばれる部分をやすりなどで削って整えてあげたら完成です!
エポキシ樹脂の安全性と安全に使う方法
エポキシ樹脂(エポキシレジン)は正しく扱えば安全で何の問題もありません。毒性があるのは事実ですが、その毒性はあまり強くありません。たばこのニコチンや殺虫剤のほうがよっぽど危険です。
一般的な家庭でも、飲んではダメなものとかありますよね。洗剤やマニキュアなどなど…。あまり危険性は感じず使っている人のほうが多いのではないでしょうか?
エポキシ樹脂に馴染みがないので、危険性について気にする人も多いと思いますが、正しく扱うというところだけ気を付ければ良いのです。過度に恐れないようにしてくださいね。
ただ、どうしても気になるという方は、下記のことを意識しておくと良いでしょう。
- 手袋を着用する
- 喚起をしながら作業する
直接肌に触れると肌が荒れる可能性は人によってあるので、ゴム手袋などを付けておくと安心ですよ。
エポキシ樹脂はこんな人におすすめ!
エポキシ樹脂は、その優れた特性からさまざまな用途で使用されています。そのため、以下のような人々に特におすすめです。
- DIYが好きな人
- 芸術家やクラフトマン
- 修理や改造が好きな人
DIYが好きな人
エポキシ樹脂は、自分だけのオリジナルのアクセサリーやインテリアを作るのに最適。色々な色や形状を作ることができるため、自分だけの作品を作りたい人におすすめです。
芸術家やクラフトマン
エポキシ樹脂は、その透明性と成形性から芸術作品やクラフト作品の制作にも広く使用されています。色々な素材と組み合わせることができるため、表現の幅を広げることができるでしょう。
修理や改造が好きな人
エポキシ樹脂は、その優れた接着性と耐久性から修理や改造の用途にも使用されています。色々な素材に対して高い接着性を持つため、さまざまな修理や改造に対応することができますよ。