愛犬が天使になる瞬間は、私たちにとって言葉では表せないほどの深い別れとなります。私は、最近、その切ない瞬間に直面してしまいました。
いつかその日が来るとわかっていても、いざその状況になると何も考えられなくなりました。少し時間が経って、気持ちがほんの少しだけ落ち着いてきたとき、私は考えます。
「これからどうしてあげると良いんだろう…」
「しっかりと天国へ行けるように送り出してあげたい。」
そんな思いで、いろいろ調べ、なんとか先日、飼い主としての最後の仕事を終えました。形見も作って、私自身もとても満足のいく最後を迎えられたのではないかと思っています。
愛犬の死後、何をしたらいいのか、何を準備したらいいのか、いつ葬儀をするのかなど、わからないことが山のようにありました。
そんな私と同じ経験をしている方も多いのではないか?その思いからこの記事を書きました。少しでも参考になれば幸いです。
- 大切な愛犬の死後は安置する
- 安置するために必要なものとその流れ・やり方
- 葬儀はいつまでにしたらよいのか
- 愛犬の死亡届の提出場所・期限としなかったらどうなるのか
- 形見をアクセサリーに加工するメリット・注意点
大切な愛犬の死後は安置してあげよう
最愛のパートナーである愛犬。亡くなった後、すぐに葬儀をしてあげたいと思う方もいるでしょう。しかし、すぐにできるとは限りません。私もそうでした。
「お仕事を休むわけにはいかない…」
「葬儀業者の都合ですぐは出来なかった…」
「もっと一緒にいたい」
あなたも、私と同じように、このようなことになったのではないでしょうか?でも、そのままにしておくわけにはいきません。
そこで行うのが「安置」です。愛犬の姿勢を整えて、体をきれいにして、腐敗しないように冷やしてあげること。具体的に、準備しておくものとその流れ・やり方についてみていきましょう。
愛犬を安置するために必要なもの
愛犬を安置するためにはこのようなものを準備しておきましょう。
- タオル・ガーゼなどの布
- 保冷剤やドライアイス
- 段ボールや棺などの安置する箱
タオル・ガーゼなどの布
タオルやガーゼは愛犬の身体をきれいにするために使います。死後、身体から力が抜けると、お尻の穴や口から体液が出てきてしまう可能性が高いです。そのため、タオルなどを使ってきれいにしてあげましょう。
保冷剤やドライアイス
愛犬を安置するということは、お家に少しの間置いておくということです。その際に気をつけたいのが腐敗について。
しっかりと冷やしてあげないと腐敗が進みやすくなってしまうので、保冷剤やドライアイスを準備しておくようにしましょう。
段ボールや棺などの安置する箱
段ボールや棺といった、安置をするための箱も用意しなければなりません。棺はあまりなじみがないかもしれませんが、手軽に購入できるので、用意しておくのがおすすめです。
すぐに用意できない場合は、余っている段ボールに安置しておきましょう。
ペットショップやアマゾンなどで気軽に購入できるので、必要になったときに見てみてください。
愛犬を安置する際の流れ
愛犬を安置する際の流れはこのような形です。
- 辛くない姿勢に整える
- 愛犬の体を清める
- 保冷剤やドライアイスで腐敗しないようにする
- 棺に入れて安置する
- 愛犬の身体を見れる最後の時間ゆっくりと過ごす
- 葬儀の準備をする
辛くない姿勢に整える
愛犬が亡くなったときに、楽な姿勢をしているかはわかりませんよね。犬にとっての楽な姿勢ってなんだと思いますか?
そんなときは、寝ている姿勢を思い浮かべてみてください。たいていの犬は体を少し丸めて、手足を内側に折った状態で寝ていると思います。
たまに手足が伸び切った状態で寝ている犬もいますが、ここでは丸まった状態を想像してみてくださいね。
もし、手足が伸び切った状態などで寝ている場合は、かわいいと思いますが、丸めた状態にしてあげてください。手足が伸びている状態だと、この後の安置が大変になってしまいます。
また、姿勢を整えてあげるのは死後硬直が始まる前にしてあげるようにしましょう。もし死後硬直が始まってしまうと姿勢を整えられなくなってしまいます。
死後硬直は死後2時間~3時間ほどで始まります。もし始まってしまったら無理せず、死後硬直が終わった後に姿勢を整えてあげてください。
愛犬の身体を清める
愛犬の姿勢を整えてあげた後は、身体を清めてあげましょう。毛並みが乱れてしまったまま最後を迎えるのは悲しいですよね。しっかりとブラッシングできれいにしてあげたり、湿らせた布で身体を拭いてあげてください。
また、肉球も汚れやすいところですよね。お散歩に行ったりいろんなところを走り回ったりして汚れている可能性があるのでここもきれいにしましょう。
亡くなった後は、身体の力が抜けて、口やお尻から体液が漏れ出てしまう可能性があります。でも、嫌な顔せずきれいにしてあげてくださいね。
保冷剤やドライアイスで腐敗しないようにする
愛犬の身体をきれいにした後は、腐敗が進まないように保冷剤やドライアイスを使って冷やしてあげることが大切です。
でも、一般的なご家庭にはドライアイスなんてないですよね。そんな方は保冷剤を使用すると良いですよ。ただし、そのままでは冷たすぎます。冷えすぎるのもかわいそうですよね。
そのため、タオルで包んでお腹のあたりを冷やしてあげるようにしましょう。
ドライアイスをネットで購入すると届くまで時間がありますよね。その間に保冷剤を使って、その後取り替えるようにするといいですよ。
棺に入れて安置する
しっかりと冷やしてあげたら、棺(箱)の準備をします。冷やすのと、安置するのは順序はあまり気にしなくてもいいですが、箱の準備がすぐにできない場合は先に冷やしてあげてください。
「棺って言われてもそんなのないよ…」
「どこで買えるの?」
そう思う方もたくさんいると思います。ですが、ペットショップやインターネットなどで気軽に購入できるので、あなたの愛犬にぴったりの棺(箱)を用意してあげてください。
愛犬の性格や毛の色に合わせたものを選ぶと良いですよ。愛らしい正確ならピンクとかいいですね。
また、棺(箱)の準備に時間がかかりそうという方は、一旦お家にある段ボールに入れてあげてください。底には、タオルやペットシーツなどを敷いて硬い地面にならないようにすると、愛犬のためにもいいと思います。
愛犬の身体を見れる最後の時間ゆっくりと過ごす
愛犬の身体を見れるのはこの時間が最後になってしまいます。もちろん、葬儀前に少し見ることは出来ると思います。でも、今ほどゆっくりと愛犬の姿を見ることは出来ません。
最後のこの時間を大切に、思い出に浸りつつ、愛情と感謝をしっかりと伝えてあげてください。
葬儀の準備をする
愛犬との時間を過ごす中で、葬儀の準備もしなければなりません。しっかりと天国へ送り出すための飼い主の最後の仕事です。
葬儀は大きく埋葬する方法と火葬する方法の2種類に分かれます。どちらの方法にもメリットデメリットはあるので、どちらがいいかは人によって違います。
ここではあまり詳しく解説しませんが、このような点を意識して選ぶと良いでしょう。
- あなたのお家から近いところ
- 施設の清潔感
- 葬儀にかかる費用
- スタッフの対応
- 実際に葬儀を行った人の声
もう少し、埋葬・火葬について、もう少し詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
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愛犬の死後2日~3日を目安に葬儀をしよう
「葬儀はいつ頃行ったらいいの?」
そんな疑問を持つ方は多いのではないでしょうか?
愛犬の死後、2日~3日を目安に葬儀を行うようにしましょう。長くても、1週間~10日以内には葬儀を行うようにしてください。1週間以上たってしまうと、冷やしていたとしても、腐敗が進んでしまいます。そんな姿みたくないですよね。
しっかりとかわいい姿のまま葬儀をしてあげてくださいね。
愛犬が亡くなった後にしなければならない届け出
愛犬の死後、やらないといけないこととして、「死亡届」の提出があります。死亡届けは忘れずに提出するようにしましょう。
「どこに提出したらいいの?」
「提出するために必要なものはある?」
「いつまでに提出しないといけないの?」
「死亡届を提出しなかったらどうなる?」
そんな疑問も出てくるのではないでしょうか?私も、最初全く知らなくて、いろいろ調べているときに、「してない!忘れてた…」となってしまいました。
結局、なんとか期限には間に合ったのでよかったですが、あなたは焦らなくても良いようにしっかりと確認しておきましょう。
死亡届を提出する場所はどこ?
あなたが飼っている犬を管轄している市町村長に登録の申請をしたと思います。具体的には、福祉政策課や保健所の生活衛生課などに行って登録をしたのではないでしょうか?死亡届も同じように届け出をするようにしましょう。
参考:狂犬病予防法
死亡届に必要なもの・準備物は何がある?
死亡届を提出する際には、死亡届の届出書と、鑑札、注射済票が必要になります。もし、鑑札をなくしてしまった人は、動物愛護センターの窓口や保健所衛生課の窓口などで再度交付してもらいましょう。
再交付には、1,600円ほど費用が掛かってしまうので、できるだけ探してみてくださいね。
また、死亡届の届出書はこのような情報を記載しなければなりません。さまざまな情報が必要になるので、死亡届を提出するときは、事前に書類を集めたり、時間に余裕をもって行うようにしましょう。
- 犬の所在地
- 犬の種類・毛色
- 名前
- 生年月日
- 登録年度及び番号
- 犬の飼い主の情報(住所・氏名・電話番号)
- 死亡年月日
死亡届を提出する期限は?提出しなかったらどうなる?
愛犬の死後30日以内に死亡届を提出しなければなりません。
第二十七条に「次の各号の一に該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。」との記載があり、一にはこのような記載があります。
第四条の規定に違反して犬(第二条第二項の規定により準用した場合における動物を含む。以下この条において同じ。)の登録の申請をせず、鑑札を犬に着けず、又は届出をしなかつた者
出典:狂犬病予防法
そして、この第四条というのは、死亡届の提出について記載されています。
つまり、犬の死後30日以内に届け出をしないといけない。それがされていないと、20万円の罰金が科されるということです。
愛犬との思い出をアクセサリーにして持ち歩こう
愛犬とのお別れのやり方、安置や葬儀については何となくイメージはついたのではないでしょうか?
でも、お別れをするのはやっぱり悲しいですよね。考えたくもないと思いながらこの記事を読んでいる人も多いと思います。私もそうでした。
でも、いつかは前に向かって進まなければなりません。それに思い出を形に残したい。そんな思いを実現するためには、アクセサリーにして持ち歩くのがおすすめです。
どんなものなのか、特徴とメリットを見ていきましょう。
メリット①おしゃれと愛犬への思いをどちらも表現できる
愛犬の形見を使ってアクセサリーを作ることで、愛犬への思いをしっかりと表現することと、おしゃれさを両立することができます。
あなたも、友人や家族にプレゼントをしたものを身に着けてくれているのを見ると、「あげてよかったな」と思うのではないでしょうか?
愛犬の形見を使ったアクセサリーにも同じことが言えると思います。しかも、それがおしゃれでかわいい。
私は、ペットの遺骨を使ってアクセサリーを作りました。多少費用は掛かりますが、後悔はありません。とても満足しているので自信をもっておすすめしますよ。
メリット②常に一緒にいられる
アクセサリーにしておくことで、常に身に着けることができます。どこへ行くにも持っていくことができるので、ペットを連れていけないような場所に持っていけますよね。
レジンを使ってアクセサリーを作ると、きれいなので見て楽しむことも、思い出に浸ることもできるでしょう。
また、お仕事や学校に行く際には身に着けられないと思う人も多いでしょう。そういった時は、キーホルダーにしてみるのはどうでしょうか?
カバンやメイクポーチ、スマホなど、いろんなところにつけることができるので、キーホルダーもおすすめです。
メリット③思い出を形にできる
大切な愛犬の形見を作ることで、思い出を形に残すことができます。あなたも、形は違っても思い出を形に残すことはよくしていると思います。どんなことがあると思いますか?
例えば、家族や友人との旅行。きれいな風景の写真を撮る。家族や友人との集合写真を撮る。これも一つの思い出を形に残す方法なのではないでしょうか?
恋人とお出かけをした時もそうですよね。写真はもちろん、おそろいのものを作ったり買ったりするのも、思い出を形に残しているということです。
どれも、あなたにとって幸せな大切な思い出になったと思います。それと同じように、愛犬との思い出も、形に残しませんか?
メリット④気持ちの整理がつく
愛犬の形見をアクセサリーにすることで、気持ちの整理をつけられるというのもメリットです。ただし、これは人によって大きく変わるところだと思います。
「形見が残っているとずっと引きずってしまう…」
そう考える人もいるはず。そのため、人によってはデメリットになってしまうかもしれません。あなたはどう思いますか?
私は、常に一緒にいてくれる感じがするので、寂しくない。と考え、気持ちの整理をつけやすくなったと思います。
愛犬を死後にアクセサリーにする際の注意点
愛犬を死後にアクセサリーにする際には場合によって注意しなければならない点が変わってきます。ここでは、このような場合の注意点を解説していきます。
- 遺毛を使ってアクセサリーにしたい場合
- 遺骨を使ってアクセサリーにしたい場合
愛犬の毛を使ってアクセサリーにしたい場合
愛犬の毛を使ってアクセサリーを作りたいと考えた場合、火葬前に毛を集めておかなければなりません。当たり前ですが、火葬をしてしまった後は毛をアクセサリーに加工することは出来ません。
もし、それでも愛犬の毛でアクセサリーを作りたい場合は、愛犬が使っていた首輪やおもちゃ、小屋などに落ちている毛を集めるようにしましょう。
毛を保存する際には、密閉できる袋などに入れて、なくさないように気をつけてください。密閉できない場合は湿気で劣化しないよう、通気性の良いものに入れるようにしましょう。
愛犬の骨を使ってアクセサリーにしたい場合
愛犬の骨を使ってアクセサリーを作るときは、火葬のやり方に気をつけなければなりません。火葬は個別葬と合同葬の2種類がありますが、その時、個別葬を選ぶ必要があります。個別葬でないと、遺骨を手元に返してもらうことができないからです。
また、埋葬をした後に骨を使ってアクセサリーを作りたいと思ったら、お墓を開ける必要が出てくるので、手間が余計にかかってしまいます。